■ テープの声と自分の声が違う理由

 
 
たとえば、いい気持ちで歌を歌っていたのに、それを録音したテープを再生し
てみて、愕然とされたことはないでしょうか。もう少しいい声なのに・・・・
そう思われる人もいるに違いありません。もちろん、テープ自体の欠陥ではあ
りません。その証拠に、他人の声をテープで聞いてみても、あまり違いが無い
と思うはずです。 


一般に、テープを通してではなく、直接自分の声を聞くと、ずしりと思い感じ
に聞こえてきます。それを、テープで聞くと、やや貧弱な声になってしまうの
です。つまり、自分の声を自分で聞くとき、その多く、特に低音部の音は頭蓋
骨を伝わって聴神経に達します。いわゆる「骨動音」です。それが、自分の声
の豊かさに思えるわけです。

まあ、具体的な例を挙げると、「たくあん」です。自分で食べているときは、
ものすごい大きい音がしているような気がするのに、他人が食べていても、そ
んなに大きいようには思えない。自分が特別なのだろうかというとそうではな
く、こういう現象のせいなのです。

ところで、世界的に有名な作曲家「ベートーベン」は耳が不自由になってから
も、ピアノの演奏はちゃんと聞いたそうです。それは、長い杖の一端をピアノ
に押し付け、もう一方の端を歯で加えるという方法。内耳さえ無事であれば、
この方法で音を聞き取ることができるのです。




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