■ 船の名前が「〜丸」な理由
欧米の船の名前に女性の名前がつけられていることはよく知られています。こ
れは一説には、長旅で離ればなれになるため、妻あるいは恋人の名前をつける
習慣から、といわれています。では、日本の船の名前「〜丸」というのはなん
なんでしょうか。たいていこういう「丸」という言葉がついているので、外国
では日本の船を総称して「マルシップ」というとか。
船に「〜丸」という名前をつける習慣は古く日本人が盛んに外洋に乗り出すよ
うになった室町時代には、すでに「〜丸」という名前の船がたくさんあったよ
うです。江戸時代では、初めてアメリカにわたった幕府の軍艦、「咸臨丸」が
知られていますね。それでは一体この「丸」とは。
昔の人の名前に「〜麿(まろ)」というのがあります。人麿や仲麿の「麿」で
「麻呂」の字もあてました。また、自分のことをさして、「麿は・・・」なん
ていうことも聞いたこともあるのではないでしょうか。この「麿」は、人の名
前だけでなく、愛用の品物の名前にも「〜麿」とつけたのです。つまり、これ
が時代とともに「〜丸」となり、船の名前にも「〜丸」とつけるようになった
のです。そりゃ、漁師さんにとっては船は大事な「愛用品」ですものね。
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