ZAC2102年 9月 20日 小ZOIDSX!



ZAC2102年 9月 20日 小ZOIDSX!



オンリーイベント、とか言うのに参加してみた。
同人誌即売会、ってヤツらしい。

ちょっと前にナギサに勧められて……と言うか誘導されてさぁ。
「たまには休暇取りなさいよ」
「外出でもしてパーッと息抜きしてきたら?」
「ちょうどアンタの好きそうな集まりがあるんだけど」
「ゾイド好きが集まってイロイロ活動するのよ」
「相手は民間人だから気を張る必要もないしね」
「行くんならアタシが色々とレクチャーしてあげるから」
「アンタ、あのアニメ見てるじゃない? ホラ、バンって主人公が出てるヤツ。無印とかGFって言われれば分かるでしょ? あれ知ってればバッチリよ」

「そうそう、行くんならついでにこのリストの本、買ってきて」

という経緯で。
気を遣ってくれてるように見えて、パシリにされてしまったような気がする。
ま、民間人のミリタリーオタクがゾイドについてまとめた本を自作してる、って話も聞いたことはあるし、折角なんで行ってみた。
前日のナギサのレクチャーは、正直言ってキツかったが……まぁ、そのお陰で楽しめたのも確かか。
あのアニメ版のネタがあんなにも多いなんてちっとも予想してなかったし。



朝のトレーニングをしてゼロカスタムと軽く話した後、バスを乗り継いで会場に向かった。
ナギサが「始まる時間よりもちょっと早いくらいでいい」「公共の乗り物で行け」って言うから。
いざ着いたら、もう入り口の前の長椅子に座って開場待ちしてる人が8人くらい居た。俺の後にも4人くらい来たし、「そこまで規模の大きいイベントじゃないから」って言ってた割には期待させてくれる。

入場証兼用のパンフレットを買ってから入った。
長机に売り物を並べてるだけかと思ったら、デコレーションがけっこうあって賑やかなんだな。そして俺の予想に反して、女性率がかなり高い。8割は女性だったか? この売り手サークル参加者とは逆に、買い物客一般参加者は男性率が高め。
(総合すると半々くらい)
開場と同時に舞台の幕が開いて『シャドー』の等身大くらいの張りぼてが出てきていきなり驚かされたなぁ。

で、開催されたらとりあえずナギサの買い物リストを消化していく。
その中でまた驚いたのが、ゾイドの実機に関する本がとにかく少ないこと。大半がアニメ版の、それもGF編に関する内容なんだよ。民間人だから(って言うのも変かも知れんが)バトル物なスラッシュゼロの方が評判がいいのかと思ってたけど、どうやらここでは違うらしい。
まぁGF編ならガイロスもヘリックも悪役じゃないし、そういう意味での抵抗とかは少ないからだろうか。
……いや、むしろガイロス側の人気は高かったかも。あの名門貴族の兄弟とか、あのスタンドプレーの目立った傭兵とか。

実機を研究してる感じのサークルは1つだった。戦史を創作したり、模型についてまとめた本の方がまだ多かった。そっちは俺も知ってる分野なので、自分の金で買った。
そうそう、模型の量販店も来ててさぁ、けっこう貴重なゾイドの模型を定価で売ってくれるんだよ。嬉しくてけっこう買っちまった。

休憩コーナーも用意されていたからそこで少し座って見てたんだが、何だかスゴイんだよ。
舞台上に置いてある『シャドー』と記念撮影する人は多いし、壁には青いクワガタ(折り紙)がたくさん貼ってあるし、流れてるBGMはゾイドと特に関係なさそうだがイベント名とは合ってるし。休憩コーナーにあった年表にも次々書き込まれてどんどんカオスな年表になっていく(でも愛にあふれてた)。ゾイドの大きさを1人の軍人と比較した一覧表もあって、その努力とバカバカしさには笑った。
ここの主催者、かなりのやり手だ。
あとスマン、勇気が足りなくて塩コーヒーには挑戦できなかった。

この辺りからだったかな。なんかこの空間全体が楽しくなってきて、乗り遅れちゃイカンと自分の意思でサークルを回り直し始めたんだよ。ナギサにも「男ばっかでも、R-18でも物怖じぜすに買え! 買わないで後悔するよりも買って後悔しろ! 同人誌は出逢いが奇跡だ!」と妙に力説されてたし。
きっとあの空間、変な力場とかが発生してたんだよ。なんかすごい買っちゃったから。薄っぺらくても本屋で売ってる普通のコミックスくらいの値段、だってのに、気が付いたらバッグがいっぱいになってた。そして言い知れない達成感があった。

昼過ぎに抽選会も始まった。残念ながら俺はどの景品にも当たらなかったけど、ラインナップがすごかったなぁ。レア物もしくは手作りだし。当選者は男性率が高かったな。「ははは、シュバルツ少佐はいただいた!」って言ってった男性のセンスには脱帽した。それに最後に『シャドー』の自作フィギュアが『レイヴン』の格好(コスプレって言うらしい)した人に当たった時は会場いっぱいの拍手で、本当に盛り上がった。

コスプレイヤーは『レイヴン』だけじゃなかった。『カール』『トーマ』『フィーネ』『リーゼ』で計5人(ちなみに全員女性)。舞台上が撮影コーナーになってて、アニメの場面を再現したりして非常に楽しそうだった。カメラを持っていれば俺だって……。

抽選会の後にはモルガレースなるものも開かれた。パンフレットで見た時からずっと気になってたんだよ。
モルガの模型を使って、誰が一番速いか、誰が一番遠くまで行けるかをそれぞれ競ってた。ここ、モルガフリークの巣窟だ。実に居心地がいい。変わった改造(デコレーション)をされたモルガも居た。
ちゃんとした表彰式もあったな。

ナギサの「最後まで残っていればいいことがある」ってアドバイスに従って、年表やら量販店のタイムセールスやらで時間を潰してた。そしたらその量販店が主催者にシールドライガーの模型を渡して、それをジャンケンでの勝者にプレゼントするって。シールドライガーDCS-Jを。ただし女性限定で。さっきの抽選会で男性にばっかり当選してたから、だって。あぁあもうナギサお前直接買いに来いよ、そしたらジャンケンに参加させたのにぃ!
……でもま、勝った人が嬉しそうにしてたから、いいか。ちゃんと作ってあげてね!

開催から4時間、遂にこのイベントも終了。出口で主催者にお礼を言って会場を後にした。
エレベーターでご一緒した人と駅前まで話せたり、とにかく全員ゾイダーですんごく楽しいイベントだった。
次回もまた来たいな。

……あれ? 何で俺こんなにハマってるんだ?
今まで興味も抱かなかった分野なのに。
疲れてるのに達成感でいっぱいなのは何故だ?
空に浮かんだ雲が全部ゾイドの形に見えるのはどうしてだ?

頼まれた本をナギサに渡すと、あいつ妙にニヤニヤしてやがったから「まぁ、楽しかったよ」って短く言って逃げて来た。パンパンになってたバッグは先に部屋に置いておいたのになぁ……。



あと、書き手本人は居なくて本だけ置いてある委託スペースで買った本の中に、うちの隊員によく似た登場人物が出てるのがあった。やけに詳しく描写されていて、男性ばかりが出ていた。
しかもこの本けっこう人気らしくて、委託スペースの人が何度も箱から在庫を出してた。
何なんだろう……?

今日の一言:「どこに行ってたかロールに聞かれたんで、「本屋」って言っておいた」






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