ZAC2100年 7月 16日 気が付いたら、泣いてた



ZAC2100年 7月 16日 気が付いたら、泣いてた

第二次全面開戦での痛手は大きい。
特にロブ基地を攻めた奴らが物資不足で撤退した情報が広がってからと言うもの、こっちの士気はガタ落ち、向こうの士気は鰻登り。
共和国の物量を侮ったしっぺ返しだな。まったくもって迷惑だ。

そんなコトを引き起こしてくれた奴らを救うための特務部隊の隊長に任命されて二日。テストの段階から一緒だった事もあり、一応メンバー全員の顔と名前は一致した。そして俺自身、ライトニングサイクスにも慣れてきた。

だが、どうにも納得がいかない。ジェノやサイクス、レブに搭載されてる『オーガノイドシステム』ってヤツが。
『パイロットを選ぶが、出力が桁違いに跳ね上がる』なんてのは戦闘ゾイドに乗った事もない技術者達の勝手な言い分に過ぎない。あんなもの、本当に全軍に普及させる気か?
確かに現在量産されているジェノやサイクスなら、ある程度の人間でも動かせる。けれども元々はゾイドをとんでもない化け物に変えるシステムと見て間違い無い。プロトタイプのジェノザウラーに乗ってるアラン先輩を見てると、そうとしか思えない。

何より、俺がジェノザウラーに乗ってみようとした時のあの感覚が忘れられない。頭がパンクしそうになる程の何かが直接頭に流れ込んできて、そのまま昏睡状態に陥った時の感覚。今思えばあれは間違いなく破壊衝動だった。それも並大抵のものじゃない。目に映るもの、感じるもの、存在するもの全てを塵に還したくてたまらないような、それくらい危険な感覚だった。
レベルの問題じゃない。OSは、何かヤバイ。

そのうえ、ガリル遺跡から回収されたゾイドを元にした『デススティンガー』なんてものを造りやがった。俺達はデススティンガーをただのOS搭載ゾイドだと聞かされたが、俺は知ってる。デススティンガーにくっついてきた専任の研究員がそいつを『真オーガノイド』と呼んでいた事を。
多分、こいつもヤバイ。
テストの段階で人が乗り込んでいるが、何のトラブルも起こっていない。少なくとも表向きには。
それでもこいつからは、何か想像もつかないような恐ろしさを感じる。特にサイクスに乗っているとそう感じる。その感覚が何なのかは分からないけど。

もしかしたら俺は、いや俺達は、相当ヤバイ事に足を突っ込んじまったのかも知れない。



……と、シリアスな話をした訳だが。実は他にも、この日記に書きたい事がある。
今日の夕食の事だ。

今日は珍しく時間が空いた(何でも、来るはずだった改造ジェノが遅れているせいらしい)ので、皆で街に出ての夕食だった。
入ったのは中華料理屋。なんでも、ちょっと有名な料理がある店らしい。その料理ってのはチャーハンで、折角だから俺も頼んでみた。

一口食べて、自分の決断を呪ったね。すごく辛(から)かった。特に「激辛」とかの表示は無かったんで油断していた。
もっとも、食べ進めてみると辛さに慣れてけっこうイケル……途中でシュウマイを口に入れたら肉汁がしみたんだけどな。
もう全身が熱くなって、汗は出るわ鼻水は出るわ。人目を忘れて鼻をかんだのは初めて。
そして(指摘されて)気が付いたら、泣いてた。

完食しても満腹ではなかったんだが、もう何を口にしてもしみるのでギブアップした。
チクショウめ。

今日の一言:「あー、死ぬかと思った」






戻る