ZAC2102年 6月 23日 レオマスターの実力



ZAC2102年 6月 23日 レオマスターの実力

今日はデュークと模擬戦をやってみた。結果は1勝2敗、負け。

ニクス戦でもタイプ0とは何度かやりあったけど、そいつらとは動きが全然違ってた。荒々しくも機敏で、どの動きも正確で迷いが無い。何より…ライガーゼロらしい、って言うのか? 捕獲任務で見た野生体とよく似た雰囲気があった。

全く歯が立たないって訳じゃなかったけど、今のままじゃ勝てるとも思えない。
デュークは歳から言えばベテランではないし(ゾイドの搭乗年数も俺と大差無い)、俺はまだまだってコトだな。
努力を欠いたつもりは無いけど、まだ足りないのか。それも、ただ経験を積むだけじゃなくて何かを変えなきゃならないのかも知れない。戦闘スタイルとか、志とか。
もしかしたら、変えた事がまずかったのかも知れない。敵ゾイドのどこを狙うかを変えた事が。

戦闘ゾイドの戦闘能力を奪う手っ取り早い方法は、ゾイドかパイロットを殺す事。特にゾイドの頭部にあり外から狙えるコクピットを潰す事が最も有効。そう教えられて、ずっとそこを狙ってきた。殺らなきゃ殺られる、ってのも理解してるつもりだ。
けど、それでも殺しはしたくない。仲間に死んで欲しくないのは向こうも同じだし、何十人何百人と殺して称えられても嬉しくない。少なくとも今は。

こんな事を言うと、真っ先に子供扱いされるんだけどね。それでもやっぱり殺したくない。
自分に迫る爪を呆然と見つめる眼が、顔が潰れても助けを求める声が、無念のままに逝った遺体が、どうしても忘れられない。あんなもの、もう作りたくない。

結局、自分の手が汚れるのが嫌なだけかも知れない。でもそれが納得できない。俺は人を殺すために生まれたんだろうか、蓄えた力は身を守るためのものじゃなかったのか、って。考えるとキリが無くなって、戦争が何なのか分からなくなる。帝国に生まれて、忠誠を誓った意味はあるのか。

多分、いつまでもこんな事を考えてるんじゃ俺は死ぬんだろうね。意志の弱い奴ほど土壇場で踏ん張れない。それも一種の常識。
本当ならあの時、特務部隊と一緒に俺も死んでた。だからいつ死んでもおかしくないし、今まで殺した分の報いを受けるのも自然な事だろう。

ただ、もし叶うなら…この命、誰かの為に使いたいと思う。誰でもいい、誰かを守って死ねたならちょっとは気が楽になるように感じる。

今日の一言:「死んだら、父さんや母さんに会えるのかな?」






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