おねだりマイハニー

「やだ…ネウロぉ……」
 ヤコの両手を拘束し、敏感な部分を除いて丁寧に愛してやる。漏れる声は拒絶の色のない否定の言葉。
「イヤなのか?」
「……も、ゆるして……」
 涙目で懇願するヤコ。我が輩は自然と口角が上がっていく自分を自覚する。

「ヤコ。我が輩、可愛らしいおねだりというのを見てみたいのだが」

 ヤコは困ったような顔で我が輩を見上げる。その顔が、いっそう我が輩を煽ることになるのだが、ヤコは自覚しているのだろうか。

「腕が、痛い…よ。これ、ほどいて……」
「ふむ、今のは3点だな」
「……イジワル……お願い……」
 ぽろぽろと涙を零しながら、それでも少し甘えた様子に我が輩は気をよくして笑んだ。その様子にヤコは安堵したようだが。

「ふむ……なかなかだな。よし、褒美にもう少し焦らしてやろう」
 ヤコの顔から希望が消えていった。再び目に涙をためて、首を振る。
「……ひゃんっ」
 首筋を舐め上げれば、敏感に反応する。
「イイ声で啼くではないか。よほど焦らされるのが好みと見える」
 恐らく我が輩はこれ以上ないほどの笑顔になっているのだろう。

「ネウ…おねが…い……も…う……」
「もう……なんだ?」
 その先の言葉を促す。ヤコは、口を開いては言い淀んで、を数度繰り返し、ようやく観念したのか、か細い声で要求を口にした。
「……きて」
「何処に、だ?」
 なおもその先を言わせようとする我が輩に、目を固く閉じてしまって。

「これ以上は、無理……。恥ずかしくて、死ねる」
 頬を真っ赤に染め上げて、涙を溢れさせる。
「貴様に死なれたら、我が輩困ってしまうではないか。ねだり方が上手くなったな、ヤコよ」
 良い頃合いだ。ヤコが欲しくて堪らない自分自身への言い訳にもちょうど良い。

「いいだろう……くれてやる」
「あああああっ……」

 ゆっくりと腰を進めれば、今度は歓喜と快感による涙を零す。そのまま口づければ、はにかみながらも笑んで。
「ネウロ…大好き……」
「素直でよろしい」
「これ……ほどいては、くれないの?」

 新たな要求を出してきた。すぐに調子に乗るのはいただけない。

続く→



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