仕置き
―ざらめ様より相互記念―
授業中、何気なく窓に目を向けると、人だかりが出来ていた。
(何かあったのかな?)
眺めていると、見覚えのある青スーツが見える。
『なっ!!!』
思わず声をあげる。
『うるさいぞ!!桂木』
『あっ…す、すいません』
教科書で顔を隠しながら、窓の外に視線を向ける。
((汗)…あ、あれ?)
窓から見えていた姿が見えない。
人だかりも消えている。
(ぅえ〜〜(汗)嫌な予感が……)
ーーガラ
突然扉が開き、見慣れた青スーツが顔を覗かせる。
『申し訳ありません。先生はいらっしゃいますかぁ?』
ざわつく教室。
(いっ!!いたたまれない!!)
『先生!!そんなとこに、いらっしゃいましたか?』
(話しかけないでぇぇぇぇぇ(泣))
『ちょっ、ちょと!!ヤコ!!』
親友の叶絵につつかれながら、青い顔をしていると。
『先生?どうされましたか?』
にっこり笑う、ネウロの顔に更に青ざめる。
『…桂木。用事があるなら、早くろ』
呆れたような顔の先生に促され、教室からネウロを引っ張りだす。
(あぁ…あの先生の評価は最悪だ…)
青スーツの魔人を睨みつける。
『んもぉ!!何しに来たのよ!!ってか、どうやって入ってきたのよ!!』
『…ふん。貴様の名前を出したら、すんなり案内されたぞ?』
『…先生…(泣)』
『ところで先生?僕が先生を訪ねる時が、どんな時かご存知ではありませんか?』
ため息しか出てこない。
『ねぇ、謎ならさぁ…ちゃんと学校が終わったら事務所に行くから』
『…謎ですか?』
『へっ?違うの?』
『先生は、何かお忘れではありませんか?』
『はっ?』
『…貴様は、本当に豆腐だな。』
『ちょっ…!!』
ーーグイ
パタン
突然手を引っ張られ、入ったのは誰もいない教室だった。
『な、何?』
壁に押し付けらる。
少し暗い教室に、ネウロの緑色の瞳が少しだけ光輝く。
(や…ヤバい。近すぎだってば!!)
ドキドキする。
先生の声や、人の声が遠くに聞こえて…。
自分の心臓の音まで聞こえてしまう。
『ちょ…ネウ…』
『…先生は、お忘れですか?』
『なっ、何をよ!!』
『あなたは、僕の為だけの存在なのですよ?』
『!!なっ…』
『先生は、淫乱でいらっしゃる。』
『はっ?』
『…先生?今日、見てましたよ?』
『な…何をよ?』
『男性の方に、何か貰っておいででしたね?』
『…………あぁ、チョコレート?』
今日は、たまたま。
本当にたまたま、クラスの男の子にチョコレートを貰った。
ただ、それだけ。
『先生は、食べ物であれば何でも口に入れておしまいで…』
『あっ、あれは、いらないって言うから…』
『そこに、何の意味があるのかも考えずに…』
『…やっ!!ネウロ』
頬を掴まれ、唇に唇。
ゆっくり、唇が離れて黒い笑顔のネウロは言う。
『お仕置きですよ?』
『んっ…』
重なる唇。
絡まる舌。
(あ…やば…頭がボーとしてきた)
もっと、したくて。
もっと、してほしくて。
青いスーツに、しがみつくと唇はゆっくり離れる。
『どうされましか?』
泣きたくなる。
こーゆう時のコイツは意地悪だ。
『分かってるじゃん…』
『…いえ?どうされたいですか?』
どうしたいか?
そんなの決まってる。
ネウロと唇付けたい。
抱きしめられたい。
『やっ…あの…』
『何ですか?』
『………たい』
『聞こえません』
『だから…き……い』
『もう1度?』
『う〜…』
『さぁ、先生?』
『キス…』
『はい?』
『キスしたい』
『…なるほど。先生は、素直な方だ』
ーーーーぴー
カチン
無機質な機械音が響く。
(なに?…カセットみたいな音が…)
カセット?
まっ、まっ、まさか!!
顔の熱が、一気に引けていく。
『ねっ、ねっ、ね、ネウロ…』
『ぬっ?』
『まっ、まさか…』
口元が裂けんばかりに笑う魔人に、冷たい汗が流れる。
『…先生の淫乱な声は、そのまま放送させて頂きましたV』
『んな!!』
『ふん。仕置きだと言ったではないか』
『だ、だから、助手口調だったんだ…(汗)』
(いや!!いやいや!!そんな事より…ヤバっ)
ーーードンドンドン
扉を叩く音。
『桂木ー!!中で何やっとんだ!!俺を辞めさせる気かぁぁ!!』
『ヤコー!!頑張んな〜』
先生、叶絵、野次馬の声がする。
『わわわわ!!どーしよー!!どーしよー(汗)』
『ぬっ?騒々しいな』
『誰のせいだぁぁぁぁ(汗)』
『…さて、ヤコ。謎の気配だ。行くぞ』
『行けるかぁぁぁぁ!!ね、ね、ネウロのばかぁぁぁ(泣)』
この後先生の説教で、退学は逃れたヤコたん。
魔人様の嫉妬は、時として大迷惑です。
ざらめ様、素敵なお話をありがとうございます!
戻るか?