これもSっぽい
―柳沢星様より―

お腹が空き過ぎて、考えがまとまらないや。

ボーッとしていると、あたしの視界に、見覚えのある“虫”が飛び込んできた。

「ネウロッ!」
虫がいるなら、ネウロは何処かで見ているはず。

探してくれたんだ。
安心する自分がいた。


*****

いつの間にか、あたしは眠っていたらしい。

気付いたら、そこに笹塚さんがいて、あたしの顔を覗き込んでいた。

まだネウロは現れない。
でも、あたしは知っている。虫が来てくれたなら、ネウロもすぐそこまで、来てくれてるはずだから。
ネウロはきっと現れる。
それは、確信だった。


「気がついた?」

笹塚さんは問う。
この人は、何故こんな事をしたんだろう?
刑事さんなのに。

拉致監禁って、立派な犯罪だよね?


どうやら笹塚さんは、食べ物を持ってきてくれたらしい。

この匂いは、若菜のたこ焼きと近江屋の焼きプリンだ。

お腹が空いた…。
駄目。食べ物に吊られちゃ。
笹塚さんは、プリンをスプーンで掬うと、あたしの口の前まで持ってきた。

あーん。思わず口が開く。

笹塚さんは、プリンをあたしの口には入れてくれず、自分の口に入れてしまった。

あーん、ちょうだいよ!

笹塚さんの舌が、あたしの口にプリンを差し入れる。

あたしは条件反射のように、プリンを飲み込んでしまった。

「美味しい?」

やだ!こんなの。
あたしは涙目になっているはず。


その時、部屋のドアがいきなり開いて、ネウロが現れた。
「ネウロッ!」

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