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―黄昏様より相互記念―

食に貪欲な生物は好ましい。
食は生きることに繋がるからだ。
そして可能性を知る事に真摯な人間達は非常に好ましい。
ヤコはそのいづれもに該当している。
まさしく好ましい存在だ。

そうだ、はじまりはあのときだ。
桂木誠一殺人事件。
父親を殺されグズグズ泣いているみすぼらしい少女。
美味しそうな謎に引き寄せられヤコの元にやってきた。
地上に来て初めて会った異生物。
いや、ここ(地上)では我が輩が異生物なのだな。
美味しそうな謎を目の前にしているのにヤコは泣いていた。
泣くべきでなく笑うべき。
だから望みの通り『日常』を取り戻してやった。
魔人である我が輩が格下の人間の望みを叶えてやることになるとは。
その時は単なる施しのつもりだった。
ところがこの人間は実に好ましい行動を取ることに気づいた。
アヤの犯した罪に対して涙し、HALの春川の動機に涙する。
我が輩がレールを敷いてやらなければ進化の糸口を見失うことも多々あるが。
実に好ましい人間だ。

好ましいから傍におきたい。
どこへ行くのもいつも一緒なのは当然だ。
食事に必要だからだけではない。

好ましいから常に触れていたい。
だから拷問を与える。
ところがヤコの反応はいつも鈍い、どこか冷めているように感じる。
つまらぬ。
何故抱いたときと同じような反応をしないのだ。
どんな挑発に対しても全身でぶつかって来るのだ。

何故我が輩はこんなにもヤコにこだわる?
ここ(地上)は人間が支配するところ。
他にもいるではないか?

否。
ヤコでなくてはならないのだ。
だからサイと戦って手がすぐに付かなかったとき、事務所に泊めたのだ。
治療ならヤコなど必要ではない。違うのだ傍にいるべきだったらからだ。
傍に居て欲しかったそれだけだ。

ヤコは我が輩が人間の感情がわからないと言うがそれは違う。
表現方法が違うだけなのだ。
人間流のやり方で示してやって初めて気づいたようだが、仕方あるまい。
我が輩も表現方法がわからなかったのだから。

我が輩は初めから示していた。
傀儡にするつもりで脅した行動、その時は気づいてなかったがあれはヤコが欲しかったからだとはっきりと言える。

そうだあのときから我が輩はヤコに惹かれていたのだ。

魔人が人間の女に恋するなどナンセンスなこと・・だが・・。

フハハどうでもよいではないか。
出会い頭でも引き寄せられたそういう運命なのだ。
『一目会ったその日から・・。』
一目惚れ・・か?
それが現実に我が身に起こっているのだ。
どうでもよい。
感情に理由などいらぬ。

ヤコが恋しい。ただそれだけなのだ。


end


黄昏様、素敵なお話をありがとうございます!



戻るか?