「はぁ〜、修学旅行の引率ってこんな疲れるんだ……一応、副担任の笹塚先生のフォローもあるけど……」
なんて、学生の就寝時間の後に一人、桂木弥子は大浴場でため息をついていた。ただでさえフリーダムな学生達……を学外でまとめなきゃいけないなんて、かなりの大仕事なのだ。
ガラッ
ぶくぶくと湯船に浸かっていたところへ、誰かが入ってきた。桂木弥子のスレンダーといえば聞こえは良いが、要は出るとこ出てない体型……これは、彼女の密かなコンプレックス。同性とはいえ、あんまり見られたくないのだが……。
入ってきたのは予想外の人物だった。
「………………え? あ、ああああの、脳噛くんっ……!?」
桂木弥子がが名前を呼ぶと、彼――脳噛ネウロも目を丸くしていて。
「桂木先生……?」
素で男女を間違った……といった表情をしていたが、すぐにそれは微笑みに変わった。
「どうしました? せ・ん・せ・い」
まさかの大浴場でばったり!? お約束にも程があるよ!!
――というのは桂木弥子の心の叫び。
「間違いから起きた偶然とはいえ、これも何かの縁。お背中流しますよ、先生」
「にっこりそんなこと言われても!! いやいやいやいや、じ、自分でできるからっ!!」
「そんな遠慮なさらずに。ほら、湯船からあがって」
「きゃあっ…むぐっ」
ザバーッと無理矢理立たされて、全身丸見え状態に叫びそうになったところを、突然のキスで制された。
「んっ…ん、はっ……なにすん…」
「他の先生方に見つかってしまいます」
文句を言う勢いを削いでしまう、少しだけずるい言葉。
「ね、先生……」
「ぅ……あ……」
大浴場だからなのか、歳並みの反応なのか、脳噛ネウロは頬を紅潮させていた。それは桂木弥子にもはっきり解るほど。いつもはふてぶてしい彼でも、照れるなんてこともあるらしい。
そんな学生らしいところもあるんだ……と桂木弥子は気を緩めた。そうして、これは背中を流されているだけ……ちょっと恥ずかしいのを我慢すれば……なんて思っていたら。
「ふあっ! あ、や……の、がみく…そこ、ちが…あぁ……」
背中から胸へと、彼の手がシフトしてくる。もはや手が滑ったとか言い訳する気もないくらいダイレクトに。
「あ、ダメ、あ、あ……」
既にツンと立っている胸の中心をくりゅって捏ねられて、もう、彼女の腰が戦慄き始めて。
そう、脳噛ネウロはまだ学生。そういう盛りの歳である……。
「先生の体は、腰が一番正直なんでしょうかね?」
普段冷静な彼の吐息も今は熱くて……、さっき垣間見た照れている顔を思い浮かべたら、彼女の羞恥は増幅させられるばかり。ゾクゾクと背中を駆け上がる何かが、もっと先をと急かすようで。
「脳噛く、ん……あ、ね、もっと……」
続く→