波乱の予感、波乱の予感(しかない)

 脳噛ネウロの通う高専では、4年生時に修学旅行というものがある。いや、修学旅行という名の単なる団体旅行だ。今年のクラスの行き先は北海道に決まった。

 さて、頭を抱える教官が一人、桂木弥子である。幸運なのかどうなのか、今年に限って、このクラス担任になっていた。まあ、間違いなく、脳噛ネウロにとっては幸運なことだろう。クラス担任は必ず修学旅行に引率するのだから。
 しかし果たして修学旅行時期の北海道に何があるのか、といえばどうだろうか。北海道を楽しむには中途半端な季節のような気もするが……。


「北海道といえばジャガイモですが、皆さんはコンニャクイモですか?」
 などと言ってきたのはバスガイド。筆者は群馬県民であr……いや、どうでもいいことでした、すいません。


 4年生といえばまだ19歳(留年生は除く)。サッポロビール工場に連れて行かれてどうしろと。さすがの教官も、目が行き届きすぎて注意せざるを得ない。まあ……宿泊先で飲むのは明白なのだが。
 とりあえずは目の前のジンギスカンにがっつく学生。
「お焦げのガン発生率なんて大したことねーぜ!」

 そんな中、あまり食の進んでいない脳噛ネウロを、やっぱり桂木弥子が見つけてしまうのである。

「どうしたの? あんまり食べてないみたいだけど……」
「いえ、おかまいなく……」
 彼は何故かこの旅行中、よそよそしい感じがして、飛行機あたりから既に彼女は気にかけていた。
「桂木先生こそ、食べないんですか?」
「うん? 食べたよー。ただ、あのままあそこにいると、他の先生達の分全部食べちゃいそうだから……」
 ふっと目を逸らす。しかしその視線の先には大量の肉……。無意識に目が濁る。
「…………先生。それなら僕のグループ、あまり進んでなくてあまりそうなので……」
「えっ!?」

 ぱぁっと明るくなった彼女の笑顔に、脳噛ネウロの、よく解らないところが疼く。


 さて、二泊三日の修学旅行。最初の宿泊先は大浴場のあるところ。
 となれば、もちろん期待するハプニングは――。

++ fin...? ++




戻るか?