「ねえ、ネウロ。あのさ……魔界能力に……その、媚薬…なんてある?」
唐突に何を言い出すのだ、この豆腐は。我が輩を好いているのではないのか? 媚薬など手に入れて、どうするつもりだ……。
「あることはあるが……誰に使う気だ」
不機嫌な声で聞き返すと、ヤコの指は意外なところを指した。……ヤコ自身?
「ね、一口でいいの。ちょっと試してみたいなー、なんて」
一体何を考えているのやら。何処かでおかしな知識を植え付けられたか。それなら情報源は十中八九クラスメイトの女なのだろう。
「あっ、相手はもちろんネウロだからねっ」
そう言うヤコの頬は少し紅い。自ら媚薬を飲んでどうする気だか解らんが、まあ相手が我が輩だというなら、良いだろう。
懐から小瓶を取り出すと、ヤコは「あーん」と大きく口を開けた。そこへ一口分、液体を流し込む。ヤコは口を閉じ、我が輩が瓶の蓋を閉めたのを確認すると、こちらへ寄ってきて、唐突に、唇を重ねた。すぐに舌が入ってきて、液体が流し込まれる。
……媚薬が我が輩の喉を通った。
「…………」
「えへへ……飲んだ? 成功、かな?」
微笑んでこちらを見るヤコ。我が輩としたことが……ヤコにはめられた。普通に微笑んでいるはずのヤコが、小悪魔に見える。呆然としているうちにも媚薬は体を駆けめぐり、我が輩は自分を抑えることができなくなっていった。
「んっ……ネウロ……」
口づけて、強く抱きしめる。ヤコを腕の中に収めたまま、その場に押し倒し、首筋を強く吸う。一瞬でも、ヤコを放したくない。少々無理な体勢ながら、ヤコの体中に指を這わし、服を脱がしていく。
「あ……ネウロ……んっ……はぁ……」
ヤコの腕が我が輩の首に回る。していることは普段と変わらないはずなのに、ヤコの吐息に、一挙一動に、いちいち大げさに煽られる感覚だ。これが……媚薬というものか。こんなものを飲まなくても、ヤコに溺れている自身は自覚している。だが、普段と違い、今は自分をコントロールできない。我が輩の深すぎる欲望を抑えられず、その結果、ヤコを壊してしまうかも知れない。
続く→