「うわぁ〜、温泉地って感じだね!」
「ふむ……この硫化水素の匂い……源泉まで行かなくても瘴気が漂っているな」
「……うん……毒だよね、確か」
二人がいるのは、某温泉の湯畑。日本三名泉に数えられ、どんな病気も治すと評判のところ。宿のチェックインを済ませ、岡本太郎デザインをじっくりと味わっている。
「ネウロ……今度は魔界魚放さないでね」
「む、ダメか?」
「そっ、そんな可愛い顔しても駄目っ」
「……ちっ」
「舌打ちするなーっ!」
一通り見て回って、宿に帰ってみれば、既に夕飯の時間。もちろんネウロの分は弥子が食べる。
「ここでこれだけの瘴気があるなら、やはり源泉は素晴らしいところだろうな」
「行ってくる?」
「ああ……その生ゴミを平らげて待っていろ」
そうしてネウロは窓からひとっ飛び。一人部屋に残された弥子は、二人分の食事を食べながら、少し淋しく思っていた。
「まあ、いつものことだけど、ちょっと味気ないよね……ネウロと一緒にご飯、とかできたらいいのになぁ……」
そう思いつつも、綺麗に完食するのは変わらない。早々とお膳を下げてもらい、女湯へ向かった。やはり一人になってしまうが、これは仕方ないと諦め、温泉を堪能することにした。
続く→