こんなにあなたを愛しているのに

「貴様を解放してやろう」

 突然、ネウロが言い出した。解放ってどういうこと?

「我が輩、魔界に帰ることにした」

 魔界? 帰る? 何? 何で?

「貴様はあれほど望んでいた日常に戻れるのだ」

 日常? ネウロのいない? 平和な?

「嬉しいだろう?」

 嬉しい? 嬉しい……嬉しくない!!

「やだ、何で? いきなり、帰るなんて……」

 そう言ってる間にも、ネウロは擬態を解き、本来の、魔物の姿に変わっていく。
 それは、地上にいてはならないもののようで。ネウロが地上の生物でないことを思い知らされる。
 胸が、痛い。
 地上と魔界生物が、決して相容れないものだと実感させられる。

「……何故泣く」

 そっと、頬を羽が掠め、涙が羽に浸透していった。

「嬉しくないのか? もう我が輩からの虐待はないのだぞ?」

 困惑しているネウロ。私は涙を止められず。

「何で? 私、もういらない? 私の傍は飽きた?」
「飽きたなぞ……」

 ふわり、と翼が私を包んだ。

「我が輩が傍にいても、貴様を傷つけるだけだろう?」

 どう、いう、こと?

続く→



戻るか?