ネウロには薔薇が似合う。唐突だけど、そんなことを思った。それも、ありきたりな赤い薔薇じゃなくて、白い薔薇とか黒い薔薇とか。無彩色が似合う気がする。
何でかな……。ゴージャスで艶っぽいってのもあるけど、それ以上に、何か、薔薇でしかない要素がネウロにピッタリだ、と思う。それが何だか思い出せないんだけど。
「そら、ヤコ。この殺風景な事務所にこれでも飾ると良い」
ネウロに手渡されたのは一輪の黄色い薔薇。どういう風の吹き回し? 薔薇なんて。しかも黄色!! ネウロは黄色ってイメージじゃないなぁ、うん。髪飾りは黄色だし、髪は綺麗な金と緑のグラデーションなんだけど。
まあ、飾るのに特に意味はないか、と思い、それを受け取る。
「痛っ……」
指に棘が刺さった。刺抜きしてない……ネウロめ、さてはこれが目的だな。私は薔薇を慎重に持って、花瓶を探す。確か、試験管みたいな、一輪挿し用のがあったはず。そうしてなんとか飾り付けて来客用のテーブルに置く。
あ、そうか。
棘だ。綺麗な花を見せびらかして、無防備に手を出した者に、容赦なく突き刺さる棘。ドS魔人そのものじゃん! ああ、すっきりした。
棘があるのは解っている。それでも魅了され、手を伸ばしたくなる――そんなところもそっくりだ。そう思うのは私だけかな。
++ fin ++