主よ、魔人の望みの悦びを

 冬休みと言えどゆっくりできない探偵業。クリスマスだってのに、今日も事務所で代わり映えのない一日になりそう。
 事務所までの短い道程でさえ、赤と緑と光の装飾で溢れていた。私も普段よりおしゃれしてるんだけど、ネウロは気づいてくれるかな……?

 なんて、ちょっとした期待を胸に事務所の扉を開けた、ら……。

「ネウロ、きたよー……って、うえぇぇええっ!?」

 事務所に目一杯、植物が蔓延っていた。電気は点いてなくて、夜でもないのに薄暗い。
「な、何これ……」
 植物は意思があるかのようにうようよと蠢いている。そしてその中心に、ネウロが見えた。ネウロは裸で体中に茎を絡ませ、目を閉じている。その茎をよく見れば、僅かながら脈打っていて。
 それがネウロから何かを吸い取っているように見えて、私は慌ててネウロを揺すり起こした。

「ね、うろ…? っ……ネウロ、ネウロ!!」

「煩いぞ、ウジ虫」
 緑の螺旋が私を捕らえる。なんだか瞼が重そうだ。緩慢な動きで、ネウロは私に手を伸ばしてきた。
「ネウロ!!」
 すかさずその手を取ると、ぐいっと引き寄せられて、私の体はネウロの腕の中にすっぽりと収まる。

「ヤコ、メリークリスマス」

 ぎゅっと抱きしめられて、耳元で囁かれた。なんだかいつもと雰囲気が違って、心臓が弾む。
「ね、ネウロ? あの…んっ」
 戸惑う暇も与えられず唇を奪われて、性急に求められるように舌を絡められて、体が急激に熱を持つ。力が抜けていく。
「ん…ぅふ……んっ、ねぅ……」
 ネウロの手が、器用に私の服を剥ぎ取っていく。ちょっと待って、せっかくおしゃれしたのに。なんて言えないまま、気づけば下着だけになってて。

 息が上がってしまって、唇がようやく離れた。そろそろと目を開けると、妖艶な笑みが目の前にあった。

「ヤコ……我が輩からのプレゼントだ」

続く→



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