サンタクロースの正体は魔人かも知れない

「貴様、まさか今年もあの格好をする気か」

 鼻歌を歌いながら事務所でみんなへのプレゼントを用意していたら、唐突に口を挟まれた。
「あの格好って……あ、サンタレディの? どうしようかな、去年は結局誰にも見せられなかったからなぁ」
「我が輩が見たから良いではないか。あの貧相な格好は、他に見せるに値しないぞ」
「う、うるさいっ、もうしないもんっ」
 ぷくぅっと頬を膨らませたら、ネウロは喉の奥でクツクツと笑った。心なしか満足そう?

「そんな貴様に朗報だ。若干遠い場所で、『謎』が生まれる気配がするぞ」
 がたん、と椅子から立ち上がり、私の前に来て言った。
「遠い場所?」
 疑問をぶつけると、ネウロはなにやらチケットを見せてくれた。

 それは、羽田→新千歳の航空チケット。

「北海道!?」
 上手くすれば、ちょっと空いた時間に美味しいもの食べられるかも!? なんて真っ先に考えるのは、私的に正しい。
「そうだ。この気配なら、『謎』が発生するのは今日の夕方、といったところか」
「ゆ、夕方……え、日帰りは辛くない?」
 ネウロのことだから、今から羽田に行って、飛行機乗って、夕方に『謎』を喰ったら、夜の飛行機で帰る、なんて強行軍なんだろうな……なんて思っていたら。

「ならば、一泊していけばいい」

「へっ……?」
 今、思いも寄らない言葉が飛び出しましたよ、ネウロさん?
「なんだ、不満か」
 私は思いきり首を横に振った。不満なんてあるものか。今日はクリスマスイヴだよ? 『謎』のためとは言え、これって二人でプチ旅行じゃん!
「まさかっ、不満なんて。い、今すぐ支度してくる!!」
「一時間以内に来い」
「解った!!」

 速攻で家に帰って、準備をして、事務所に戻った。我ながら、ここまで素早く行動できるなんて、現金だな、と思う。

続く→



戻るか?