叶うなら、せめて…

「へっ…へへへ……うへへへ……」

その男は気味の悪い笑みを浮かべその場を立ち去った。
奴が何処の誰かなど解らない。
『謎』を喰うための、この探偵という職業柄、逆恨みを避けて通ることはできないのだ。

何処で手に入れたのか……そのあまりにも強力な重火器は、庇おうと抱きしめたヤコもろとも我が輩の急所を貫通した。

「ネ、ウロ……」

我が輩の背に腕を回したまま、我が輩の名を呟き、ヤコは一足早く事切れた。

「ヤ…コ」

自らの生存の可能性が完全になくなったと、理解した。
だから、我が輩はヤコをきつく雁字搦めに抱きしめて、倒れた。

そして意識が薄れていくのを待つ。
死の訪れを待ち望む。

永久に離れぬよう、絡み合い、死後硬直を待っている。

++ fin ++




戻るか?