「貴様を失うこと……これほど恐ろしいことはない……」
私の髪に顔を埋めた。
こんな、不安そうなネウロ……どうしよう……。
戸惑いながらも、愛おしさがこみ上げて……私はネウロの背中に腕を回した。
そうして今度は私の方が抱きしめる形に。
「ヤコ…?」
「ネウロ……ありがとう。私、知ってる……大事な人がいなくなる怖さ」
お父さん……笹塚さん……段ボールおじさん……みんな……。
欠けてしまっても、誰も代わりなんていない。
「でも……私はネウロに会えて、こうしてくっついて…その……キ、キスをして……今、嬉しい、よ……だから、その……あー…………キス、しよう?」
勇気を出して、思いの丈をぶつけた。
きっと、私、今顔まっ赤だと思う。
「…………フ」
私の言葉を聞いたネウロは、どこか吹っ切れたように微笑んで。
「お望みとあれば、いくらでも……」
そうして何度もキスしてくれた。
不可欠の一人を得ることは、同時に喪失の不安を抱くということ。
きっと…ううん無茶をしなければ、ほぼ確実にネウロより私の方が死んじゃうけれど、私は気まぐれでドSでDV大好きで、食事に真剣なネウロの隣にいる。
できうる限り、ずっと傍にいる。
だから……怖いけど怖くない。
きっと沢山楽しいことを二人で知っていけるから。
今、そしてこれからも、何度でも、熱い唇の感触を、温かさを共有できるから……。
「ヤコ……貴様なら、この感情になんと名を付ける?」
「うーん…やっぱり『愛情』かなぁ?」
「ふむ。やはり、そうか……では」
やはりってなんだやはりって。
なんて思ってたら耳元で甘く囁かれた。
「愛してるぞ、ヤコ…」
「っ〜〜わ、私も、ネウロを…ふぐっ」
ぎゅう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ちょ、ねう、苦し……」
マジで! 落ちる!!
「ギブギブ!!!!」
「愛おしいな、ヤコ」
ネウロがベアハッグしながら極上の笑顔をすり寄せてきた。
苦し……けど、心からの幸せ、それが伝わってくる。
ネウロのくれたこの温もりが、この日一番の、そして一生大切な記憶。
++ fin ++