「はぁ……もうすぐネウロが魔界に帰って3年か」
弥子は自分を進化させる努力をしつつ、ネウロを思い出さない日はなかった。
「何してるんだろう……ね、あかねちゃん?」
『きっと……ううん、絶対こっちに帰ってくるよ!』
「そうだよね。……でも、やっぱりちょっと淋しいよね……」
――一方その頃。
「お嫁にいけない……」
しくしく嘆く魔人ゼラを後目に、颯爽と魔界へ向かうネウロ。
「懐かしくもあるが、やはり何の価値もない故郷、だな……」
ぽつりと呟いて、それから大きく深呼吸。
色素の抜けた髪は元の金と黒の艶を取り戻し、皮膚に刻まれていたヒビもみるみるうちに消えていった。
「ふぅ……」
魔人、脳噛ネウロのあるべき姿へと戻っていく。
この濃い瘴気をしばらく堪能するのかと思いきや、はっと思い出したかのように、昔の住処へ飛んでいった。
「ゆっくりなどしている場合ではない……」
貯蓄していた魔力電池を、慌てた様子で無造作にガッとかき集めて、そのままとんぼ返り。
胸を高鳴らせて、全速力で移動する魔人。
――早く地上へ……一刻も早く弥子の元へ。
魔人の頭の中はそればかり。
急いで地上へ戻ってみれば、3年も経っていたことを知り、愕然とした。
弥子はまだ、自分を待っているだろうか。
いいや、待っている――そう信じて、弥子を探す。
世界一の名探偵の噂を頼りに、地上を飛び回る。
その合間に髪飾りで髪を整えて。
そして。
「…さあ、目覚めの時間だ」
――見つけた!!
自分の気配に気づいた弥子を見て、嬉しさのあまり思い切り窓をぶち破ったなどというのは、ここだけのお話。
++ fin ++