「再び来られる保証が無いのだ。これほど素晴らしく混沌として可能性に満ち…『謎』に満ちた世界に」
迷っているネウロ。
私のかける言葉は――。
「はや…」
「この世界に戻れる保証が無い、それは……」
「?」
「再び貴様に逢える保証が無いということだ」
ネウロは私の頭をぐいと引き寄せて、キスをしてくれた。
それは今までのどれよりも甘く、クラクラしそうな麻薬のようで。
一回で済ませるつもりだったのだろうそれは、何度も何度も、息が上がるまで繰り返された。
「はぁ……ネウ、ロ……」
「……ふっ、堕ちたものだ、我が輩ともあろうものが。これではまるで依存症だ」
「くすくす……そうだね。恋は『落ちる』ものだもの」
「違うぞ、ヤコ。かの温泉でも治せないのであろう?」
「え?」
「恋は『患う』ものだということだ」
「……うん、そうだね」
少しだけ淋しげな表情をした後、私は意を決してネウロに言った。
「早く帰れバカ魔人。そんでさっさと戻って来い」
精一杯、笑って。
「あんたがいつどこに帰ってきても…、すぐに私を見つけられるぐらい輝くから」
――そうして、一時の別れ前の、最後の口づけを。
++ fin ++