あのとき 03

髪飾り両方 貴様がXだな


「それが当たっていようといまいと関係ない。目星をつけることが重要だったのだ」
「ふぅん……」
「不服か。結果的に助けたのだぞ」
「ううん、そんなことない…けど……」
「けど?」
「種明かし、やっぱ聞きたくなかったなぁって……」
「む。何故、と聞いてきたのは貴様ではないか」
「そーだけどさぁ……うん、もういいや」
「良いはずがなかろう」

そっぽ向いた私を、ネウロが後ろから抱きしめた。
その力強いぬくもりに、また夢を見たくなってしまう。

あのとき、ネウロはXに向かって「貴様がXだ」と言った。
確かにネウロは私とXを見分けていた……と思っていた。
いや、思いたかっただけだ。
どんなにXが私に似せても、ネウロは私を見つけてくれる、と。
そんな都合のいい夢みたいなことを――。

「……当たっているかは関係ないと言ったが、全くの当てずっぽうだとは言っていないぞ」
「え?」
「人間とは、不完全なものだ。だからこそ、進化する余地がある」
「うん……」
「どんなにXの変身能力が高くとも、貴様とは違うのだ」
「うん……」

「全く……どれだけ貴様を見続けてきたと思っているのだ」

「えっ?」
「…………」

抱きしめる腕が、きつく、なって。

――見間違うはずがない。

小さく、本当に小さく、呟いたネウロの声を確かに聞いた。

++ fin ++




戻るか?