「ん……ぅ、ふぁ……んふ………ぅ…はぁ……」
「だいぶ舌遣いが上手くなったな、ヤコ」
「そんな恥ずかしいことをさらっと言うなっ!」
弥子は照れ隠しに、ネウロに向かって腕を突き出す。
「っ……ったぁ……」
しかし、その腕はあっさりかわされて宙を舞い、勢い余ってテーブルへ。
「あ…ちょっと切れちゃった……舐めておけば治るかな」
「ほう、人間の怪我というのは唾液で治るのか。興味深いな」
「へ? 別に唾液で治るとかじゃなくて……消毒みたいなもん? とりあえずって感じで……」
「そんな雑菌だらけの唾液で消毒ができるものか」
そう言いながらもネウロは弥子の手を取り、傷をぺろりと舐めた。
「ちょっ……雑菌だらけって失礼な……」
「事実を言ったまでだ。口の中というのは実に様々な細菌が棲息している場所だ」
「え……ホントに?」
「そうだ。だから……」
「んっ……」
取った手を引き寄せて、深く口づける。
互いを求め合うかのように吸い合って、自然と相手の体に腕を回す。
「んふ……」
「こうやって唾液を交換するということは、互いに棲む雑菌を交換するということだ」
「え……そ、そんなことして平気……って、今まで散々してるけど……」
「何、心配は無用だ。細菌に触れるということは、免疫を作るチャンスができるということだからな」
「じゃあ、キスは健康に良いってこと?」
「うむ、ミジンコにしてはすんなり理解できたようだな」
「ミジンコは余計……」
「というわけだ、ヤコ。好きなだけ我が輩を貪るがいい」
「……そーゆー言い方しないでよ」
なんて言いつつ、ネウロに唇を寄せる弥子。
ネウロは満足そうにそれを受け入れ、最愛のパートナーを優しく抱きしめた。
++ fin ++