究極の『謎』を求めていた。それを喰えば永遠に満たされるという。それさえ喰えれば、もうそれ以上『謎』を探す必要もない。そうすれば――。
ずっと求めていたものが急に手に入ると、喜びより驚きの方が大きくなる、とはよく言ったものだ。
まさに今その状況。脳髄の空腹が完全に満たされた。我が輩は歓喜に震える前に、唖然とした。
「じゃあ、もう私はいらないね」
淋しそうな笑顔でヤコが言った。そうなのだ。もう、探偵を演じさせることはない。ヤコを縛り付ける理由がなくなった。ヤコが望んでいた「日常」とやらが、やっとヤコの手に入る。
「…………そう、だな」
何故だか、言い淀んだ。そのためらうような言い種に、我が輩自身が驚いた。
「そう……うん、そうだよね……」
ヤコは俯いて、微かに震えているようだ。
「ようやく貴様は我が輩から解放されるのだな」
「そう……だよね、そうだよ、うん……。私、もう奴隷じゃないんだよね」
今にも泣きそうな目で、それでも無理矢理笑顔を作って。
「ネウロの一番の望みが叶ったんだもんね。もう私、用済みだよね? 無理矢理引きずられたり、虐待されたり、無理矢理……抱かれることも、なくなるんだね」
「ヤ、コ……」
……つ、続きます!
++ fin ++