「…………ネウロ、この明らかに日本語じゃない単語の羅列は何?」
「む? ああ、なかなか興味深くてな。いろいろ集めてみたのだ」
「へぇ……『謎』以外にもまだまだ興味深いことあるんだね。で、何を?」
「テニスの国際審判とやらが必ず覚え込まされるというものだ」
「だから、何なのよ?」
「あらゆる国のあらゆる言語の罵詈雑言だ」
「…………へ?」
「テニスプレイヤーは紳士でなければならないそうでな。神聖なコートの中で暴言は厳禁というルールがあるのだ」
「へ、へぇ……」
「だから、審判は予想されうる全ての暴言を知らなくてはならない」
「は、はぁ……うん、好きそうだね、ネウロ……」
「というわけで、こいつは貴様へのプレゼントだ」
「え」
「む? 我が輩からの恋文は受け取れないか?」
「……わざわざ他の言語で紙に書いてまで罵りたいの?」
「何を言う。ちゃんと我が輩が心を込めて考えた、貴様ただ一人への言葉だというのに(しゃきーん)」
「いっ、いえいえ、いただきますっ! ありがたく頂戴しますっ!!」
「うむ、素直でよろしい」
(もう……何なのよ、凹むなぁ…………ん?)
「ね、ネウロ! これっ、えと……37行目っ!!」
「ほう、その豆腐頭でも厚かましいと罵られていることが読みとれたか(ニヤリ)」
「え、あ、う……(赤面)」
(ネウロの顔……わざとだ、これ……)
8ポイントの小さな文字で埋められたA4のプリント用紙。
たくさんの単語や文に埋もれて、うっかり見落としてしまいそうになった37行目。
そこだけ、やけに簡単な英文で。
You do not cry but should laugh. Because I am dear in you laughing barefacedly.
↓ この先、和訳アリ
貴様は泣くのではなく笑うべきだ。我が輩は素のまま厚かましく笑う貴様が愛おしいのだから。
++ fin ++