希少価値

ネウロが猫を抱えて、愛おしそうに撫でていた。
あの大きな手で優しく撫でられてて、猫に思わず嫉妬した。

「……どうしたのネウロ?」
「む、何がだ」
「だって、猫……」
「三毛猫の雄は希少価値が高いのだと、何処かの笑顔が言っていたな」
「何処かの笑顔……え、あの兄弟?」
「うむ。三毛猫の雄というのは、遺伝子異常の代表例だ」
「へぇ……」
「三毛猫といい、アルビノ個体といい、人間は異常なものが好きなのだな」
「異常なものって……確かに、珍しいものが好きなのは解るけど……」
「珍しいもの好き、か。それなら解らなくもない。我が輩も珍しいものが好きだからな」
「そう?」

「貴様の体はどう考えても規格外だ。女として未発達で未成熟。そしてその胃袋も異常としか言いようがない。これほどの人間は珍しいのだろう?」

「うっ、うるさい! 相変わらず何なのこの言葉攻め!」
「相変わらず話を聞いてないな、ウジ虫が」
「な、何よ……珍しいもの好きの話か……珍しいもの、好き……?」
「その豆腐頭では、気づくのにこれだけ時間を要するのか」

都合良すぎる解釈が頭をよぎって、嬉しくて舞い上がっちゃう。

「……わ、私も、珍しいの好きだよ!」
「ほう?」
「ほら、地上に魔人なんて珍し……」

瞬間、強く抱きしめられて。

「なかなか、ミジンコにしては良い答えだな」

あんまり嬉しそうに言うから、猫が何処かへ行ってしまっても気にならなかった。

++ fin ++




戻るか?