フラワーショップにヤコと二人。
事務所に飾る花を選んでいる。
あれやこれやと目移りするのは、やはりヤコも女だということか。
「ネウロはやっぱり薔薇とか似合うね」
「定番だな」
「そ、そうじゃなくて! なんて言うか、高貴でワガママな感じ?」
「ほう……我が輩はワガママか」
「うん……あ、いや、ごめんなさい」
「フン……」
我が輩は、道の端に咲いている花を手折って、ヤコに差し出した。
「貴様はこれだな」
「え、何この花?」
「知るか」
「えーっ?」
それはルドベキアという花。
向日葵に似ているが、向日葵ほど大きくも強くもなく、道端にひっそりと咲く。
思わず向日葵を隣に置いて比較したくなる。
そしてその脆弱さ、地味さを確認する。
しかしどうしてか視線を奪うのはルドベキアの方。
花言葉は「正しい選択」だという。
これほどまでにヤコに似合う花は、他にないのではないか。
――これも惚れた欲目というやつだろうか。
++ fin ++