「弥子ちゃん、差し入れ」
「うわー、ありがとうございます、笹塚さん!」
満面の笑みを笹塚に向けるヤコ。
その笑顔に、笹塚のポーカーフェイスが一瞬崩れる。
……気に入らん。
「先生、お菓子くれる人についていっちゃ駄目ですよ」
「えー、お菓子くれる人はイイ人だよ」
「弥子ちゃん……危ないよ……」
我が輩が出しゃばってきたからか、笹塚はじゃあ、と言って帰っていった。
「フン……」
「ネウロ……笹塚さんはイイ人なんだから」
「我が輩はイイ人でなくて残念だな」
「人じゃないじゃん。……それに、ネウロはイイ人じゃなくていいの」
「ほう?」
「……『好きな人』なんだから」
……不意をつかれた。
「ネウロ?」
まさか我が輩、顔を紅くしてないだろうな……。
そうか、こういうときに厠に駆け込むのか。
また一つ、余計なことを理解してしまった。
++ fin ++