遠い記憶 02

「ネウロ……」

耳に残る、我が輩を呼ぶ声
網膜に焼き付く、我が輩を見つめる眸

そっと触れる唇は柔らかく
体は腕に閉じ込めてしまえるほど儚く
髪は金糸の如くきらめいて

その中は、熱く
熔けてしまいそうなほど、熱く
縋る腕は白く細くしなやかで

「ネウロ……」

震わされる空気すら愛おしくて
存在そのものが愛おしくて



思い出だけを頼りに生きていくのが
これほどのことだったとはな

ああ、そうか
今なら、春川の気持ちが解るかも知れん

++ fin ++




戻るか?